GoogleのAdSenseに代表されるオンライン広告のビジネスモデルについては、先日触れたが、このオンライン広告の動向としてもう一つの側面がある。コンテンツ連動型広告だ。
コンテンツ連動型広告とは、「WebサイトやWebページの掲載内容(コンテンツ)に合致した広告を自動的に判別し、配信・表示する広告形態」。
参考:BPnet Netマーケティング
http://biztech.nikkeibp.co.jp/netmarketing/word/explan/061003_contwith/
いわゆる、pay per click(クリック課金型)の広告モデルで、今日本でも大流行りだ。NTT東やRSS広告社、電通など、日本企業の間でも既に関係各社がしのぎを削っているほか、無料ブログサービスとの連動を積極的に進める企業もある。
確かに、オンライン広告はWeb2.0分野で唯一確立された収入モデルであるといってもいい。既に証明されたモデルだからこそ、様々な趣向を凝らして差異化要素を検討しながら市場参入する企業が続出する。
ちなみに、このコンテンツ連動型広告の概念は、インターネットのみならず、一般のテレビ広告にも浸透しつつある。Open TVはVisible Worldと共同で、ターゲット世帯にあわせたカスタムCMを提供する。ケーブル配信されるターゲットCMは、広告主によるターゲット分析をもとに10万種類のバージョンをそろえている。地理的な要因はほとんど考慮されないという。
ファストフードチェーンのウェンディーズは、NFLのゲーム進行状況にあわせて内容をアレンジするCMを提供中だ。Visible Worldとの提携により、ゲーム状況に合わせた宣伝文句が流れる仕組みになっている。
ユーザーに合わせたインタラクティブ化、カスタマイズ化志向は、インターネットではもう当たり前の時代だが、インターネットを超えたメディア業界にもその影響は浸透しつつあるのかもしれない。
オンラインビデオに関連するサービスが、今年は大ブレークした年だった。その代表がYouTubeだが、それ以外にもユニークな趣向を凝らしたサイトが続々と市場に登場している。
例えば、最近知ったサイトが以下。アップロードビデオにキャプチャなどを追加できたり、動画をクリックすることでゲームが楽しめたりと、よりインタラクティブな特徴が魅力的だ。
・Viddler.com: http://www.viddler.com/
・Avant Interactive: http://www.avantinteractive.com/
・FilmLoop: http://www.filmloop.com/
ただ見るだけ、から遊べる動画を配信・共有できるというのは、これまでなかったサービスだろう。しかし、一件「お遊びツール」に見えるこのようなツールだが、使いようによっては一つのビジネスツールになる可能性もあるかもしれない。
Gartner Japanが最近、「Cosumerization of IT」という概念を提唱している。これは、一般消費者の間で流行っているツールは、ビジネスユースとしても受け入れられやすく、企業はコンシューマ発のシ ステムツールを重視すべきだ、という考え方である。確かに、通信手段一つとっても、携帯電話(携帯メール含む)やブログ、IMなど、はじめは一般コン シューマを中心に広がったものが、いまやビジネスツールとして一般的に受け入れられている。
では、一般ネットユーザーに絶大な支持を得ているYouTubeのようなサービスも、今後ビジネスシーンで利活用されるのだろうか。・・・可能性は、なくはないだろう。
オフィスで皆が企業版YouTubeを使うとは少々考えがたいが、教育や研修ツールまたは顧客とのコミュニケーション媒体として、今後動画の共有という手段は広く流布する可能性はあるだろう。
重要なのは、「コンシューマ」と「エンタープライズ」の境界を最初からきっちり敷いてしまわないことかもしれない。Web 2.0はどんな小さなことにもチャンスがある、自由な世界なのだから。
Appleが1月のMac Worldで出すと思われる、MP3プレーヤー付き携帯電話について、あちこちでうわさが飛び交っているが、傍らで競合が次々新製品を出している。
・Cisco Systems / Linksysが「iPhone」を新リリース:ニュースリリース
・Google / Orangeの共同プロジェクト「gPhone」:※例えばこちら
要 はどれもIP携帯電話で、Appleから想像される“MP3プレーヤー”+“携帯電話”というわけでは必ずしもない。しかし、いまやNGNブームで電話回 線もインターネットプロトコルが基本となりつつある時代、やはり次世代携帯もIPベースか、という予想は誰の頭にも浮かぶ。
一方で、「Apple旋風」に対し、警鐘をならす声もある。例えばこんな記事だ。
CNet Japan:「iPodマジック」は起こらない--アップル製ケータイを待ち受ける壁
確かに、iPodの成功と比較した将来予想としては一理ある見解だろう。しかし、iPodの成功は、本当に同社の戦略のみで奏功したのだろうか・・・。その点は、筆者には少々腑に落ちない点がある。
い
ずれにしても、いまや注目のAppleフォンだが、筆者の予想ではこのような世の中のざわめきを尻目に、Appleは今も1月に向け、着々と新製品の開発
を進めているように思える。iPodの成功は、確かに同社の市場戦略の勝利だったかもしれない。が、今の彼らの一番の強みは市場でのprestigeと、
合理的な製品仕様ではなかろうか。いいものにはユーザーが集まる。この原点と、今の市場prestigeを保つ限り、Appleにはまだまだ、携帯電話市
場でも競合余地はあるように思うがいかがだろうか。
Googleが新しい検索エンジンを公開した。特許サーチである。
Google Patent Search:http://www.google.com/patents
関連記事:http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20338893,00.htm?tag=blogger.cr
今年は、Googleの検索技術が実に様々に多様化した1年だったといえるかもしれない。この特許検索も、Googleの検索ラインナップの1つに加わることになる。
こ の1年の間に、Web2.0ブームやGoogleへの注目により、検索エンジン分野でのGoogleの競合は一気に増えた。かねてからの競合Yahoo! も、Googleに負けず劣らず、多くのツールやサービスを放出している。Googleに対する今後についても、様々なうわさや予想が飛び交った。しか し、この企業はいまだに、自社の路線を一貫しているのかもしれない。
とはいえ、2、3年前と現在とでは、市場の様相はあまりに変貌した。かつては万能プレーヤーだったGoogleもいまや四面楚歌(とはいいすぎか)、周囲には手ごわいライバルがゴマンといる。
いまや、この回転の速い市場を先んじるに、自社のみの力ではどうにもならない部分は大きい。ゆえに、GoogleはM&Aやビジネス提携にもかなりのリソースを割いている。
検索技術はいつも、Googleの原点であり、柱だった。これからもそうあり続けてほしいものだ。
IBMはSecond Lifeを使って、Circuit Cityのバーチャルストアを自社の持つ島に立ち上げることを発表した。
IBM、仮想世界への取り組みを強化--Second Life内に家電量販店も開設:
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20339044,00.htm?tag=nl
まずは3D仮想世界での小売ビジネスモデルの模索から、ということらしい。オンラインの世界ではやはりまずコマース系からの検討が、先行するということかもしれない。
こ の1年で、バーチャルワールド分野は急激な注目を集めるに至っている。IBM以外でも、ロイターやウェルズファーゴ(金融)、Dell、Sun Microsystemsなどが既に、Second Lifeの島を使った様々な施策を展開している。一般消費者が集まるところには、いつもビジネスチャンスあり、ということだろう。
上記企業の施策については、以下に関連記事がある。
ロイター:
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20275747,00.htm
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20305847,00.htm
ウェルズファーゴ:
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20087316,00.htm
Second Lifeについて:
http://japan.cnet.com/column/mori/story/0,2000055916,20328207,00.htm
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20338965,00.htm
オンラインショッピングサイトは、オンライン広告ビジネスの有力な市場セグメントの一つである。このオンラインショッピングサイトのオンライン広告に、新たなトレンドが生まれそうだ。
こ れまでGoogleがリードし、一般化した広告モデルは「pay per click」(広告をクリックするごとに報酬が発生する)というものだった。この従来のビジネスモデルに新しく挑戦するのが、「pay per performance」(商品が購入されるか、または客が広告を見たときのみ報酬が発生する)というものである。
代表的なショッピングサイトを分類分けし、挙げてみると以下のようになる。
<従来の"pay per click"型>
・Shopping.com: http://shopping.com/
・Shopzilla:http://www.shopzilla.com/
・PriceGrabber.com:http://www.pricegrabber.com/
<新しい"pay per performance"型>
・Jelleyfish: http://www.jellyfish.com/
・TheFind.com: http://thefind.com/main/
・myTriggers: http://www.mytriggers.com/
pay
per
clickの難点は、クリック単位での広告費の増加である。商品が購入されなくとも支払いが発生するモデルであることから、広告主の費用負担は簡単に増大
する。しかし、pay per
performance方式であれば、宣伝広告や商品販売に比例した広告コストが実現するため、広告主にとってはより合理的だ。
実際のビ ジネスモデルは、プレーヤーにより少しずつ異なる。例えば、Jellyfishは広告主から得られる報酬の半分をリベートとして顧客に還元し、販売主は オークションにより報酬額を同サイトに提示する。顧客はほしい商品をサイト検索で探し出すが、広告報酬額が高い商品はそれだけユーザー側への見返りも大き く、検索結果でも上位に表示される。販売主、購入客双方にとってwin-winなソリューションというわけである。更に販売主にとっては、販売ごとのマー ケティングにかかるコストをより効率的に管理できるという利点もある。
このpay per performanceタイプがオンラインショッピング市場に定着すれば、やがてpay per click型オンライン広告モデルは衰退することは、容易に予想できるだろう。今のところ、pay per click型オンライン広告モデルは消費者に受け入れられてはいるが、現実にはそのような仕組みに関係なく、品揃えと価格でショッピングサイトの人気が決 まる、という一面も推測できる。販売主への受けがよく、商品の品揃えが充実すれば、必然的に商品の低価格化も付随する、ということも考えられることから、 今後pay per performance型ショッピングサイトが普及する可能性はある。
Google AdSenseから始まった、オンライン広告市場。このような市場トレンドにGoogleがどう対応していくか(またはどう対応するか)も、もう一つ興味あるところだ。
バーチャルワールドの大御所、LindenのSecond Lifeに企業の関心が高まっている。
IBMはそのうちの一社。
IBM、「Second Life」などの仮想世界に本腰:
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20338693,00.htm?tag=nl
広 告業界がいち早く目を付けて、Second Lifeをウォッチするグループを社内に作る、という話は最近耳(目)にしたが、IBMなど大手SIerが本気で乗り出すとは少々意外な気がする。しか し、人気の高まりやユーザー(特に企業ユーザー)の注目が集まるところには、何かしらのビジネスチャンスがあるに違いない。
いよいよ、Second Lifeが第二のビジネスワールドになるのか、否か。どんなビジネスモデルが可能なのか。ここが、一番の課題。
数年前、「インターネット含む全てのメディアを制覇する」と豪語したGoogleのラジオ業界戦略に少々怪しい雲行きうわさされている。
CNETJapan:
「グーグルの「Audio Ads」サービスにラジオ業界幹部は消極的」
http://japan.cnet.com/column/somethingnew/story/0,2000067121,20338168,00.htm?tag=nl
※Googleのラジオ業界戦略について:
「グーグルのラジオ広告システム--「年内にもベータ公開」の予想」
http://japan.cnet.com/column/somethingnew/story/0,2000067121,20332727,00.htm
戦略の焦点は、ウェブで業界制覇した広告モデルを、IT技術の駆使によりラジオ分野でも実現したいという話。既にベータ版の運用も開始している。
Googleのサーチエンジン戦略ターゲット分野は、「テキスト」「画像」「音声」の3つ。技術的にはまだ「タグ方式」のままだが、着手領域とプレゼンスの拡大をまずは狙おうというどころだろう。
し かし、ラジオ業界関係者はこのようなGoogle戦略に少々難を示しているようだ。「マスメディアとはいえ、広告のターゲットを選べない広告方式は効果が 期待できない」という主張はもっともだが、それがIT広告の潮流にどのように影響するか。または、ITでどこまで自動化が可能なのか。ITがどこまで ヒューマンビジネスに代替出来るか。そんなことまで考えさせられる一件である。
やはり、今後もしばらくはGoogle動向から目が離せなくなりそうだ。
YouTubeの著作権問題に、日本の著作権保護関連団体(社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本民間放送連盟をはじめとする23の著作権関 係権利団体や事業者)が噛み付いた。著作権侵害にあたる3万件のコンテンツ削除の要請から、アカウント登録条件の設置などの要件を突きつけたという。
CNet記事:
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20282707,00.htm
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20337703,00.htm?tag=nl
アメリカ産牛肉についても、輸入禁止措置や検査体制の強化など、米国政府に噛み付いたのは確か日本ただ1国のみだったのではないか。今度はインターネットの世界で、2国のビジネス文化の違いが衝突したような感がある。
し かし、日本の団体があえてYouTubeへアクションを起こした背景には、おそらくユーザー市場のYouTubeの遣い方に大きな違いがあるだろう。個人 が作成したビデオを一般公開して他社との共感を得たいという米国人ユーザーに対し、日本人ユーザーの多くはより一般的なコンテンツ(テレビ番組やエンター テイメントコンテンツなど)の共有・視聴を目的にYouTubeを訪れる機会が多いという。このため、著作権侵害に当たるコンテンツをアップロード・視聴 する割合としては、もしかしたら米国市場より日本市場のほうが高い可能性が考えられる。
YouTubeをめぐる一連の騒動は、米国は中国並みに著作権問題に疎い、という印象を、日本のユーザーに与えがちかもしれないが、実は一つのツールの使い方という側面から考えれば、ごく当たり前の現象なのかもしれない。米国でも、DRMは絶えず、メディア業界に於ける一課題なのだから。
YouTubeが、NFLと新たに契約を交わした。今シーズンのゲームハイライトをYouTubeで流すための契約だ。
YouTube strikes video deals to dodge lawsuits:
http://www.infoworld.com/article/06/11/16/HNyoutubevideodeal_1.html?source=NLC-SOA2006-11-23
YouTubeは最近、同様の契約をSonyやUniversal Music、Warner。NBCなどとも交わしている。非合法な映像のアップロードを禁止する一方で、ニーズのあるコンテンツは自ら掲載すればよい、という考えである。
YouTube の人気を支える「著作権侵害」コンテンツ対策については、いまだ明確な方向性が打ち出されていない。comScore Networks Incの調査によれば、10月に実施された調査ではYouTubeは世界で26番目にviewカウントの多いサイトにランク付けされたが、その人気を支え る一番の要素は、いわば「非合法」にアップされたコンテンツであると予想されている。これが事実であるとすれば、Googleがこれら非合法コンテンツを 排除すれば、それはつまりYouTubeのviewカウントを下げる結果に繋がりかねない。
一連の情報ソースとの映像配信契約は、このよ うな現状課題に対する対策の一環だろう。パートナーシップとビジネス契約でユーザー要件を満たしながらことを進めようとするGoogleのやり方はもっと もだが、この路線を継続すれば、いずれいつかはiTunesのような有料コンテンツ提供サービスと衝突するときがやってくるのではないか。
映像配信サービスのビジネススキームを、業界全体が検討すべき時期が、もうすぐ近くまで来ているのかもしれない。