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最近、Eラーニングがホットらしい。昨年以来、なんにでも2.0をつける傾向があるが、Eラーニング2.0というフレーズもあるらしい。
もちろん、教育分野で話題になるWeb 2.0とは、アプリケーションレベルのものがもっぱら。要素としては、コラボレーション、ポッドキャスト、画像/動画、ブログなど。もちろん、ベースとしてオンラインオフィスツールなども使われる。
教室に浸透するEラーニング2.0:学習の現場を変えるウェブアプリケーション
http://japan.cnet.com/column/rwweb/story/0,2000090739,20342820,00.htm
「オ ンライン教室」という概念が、Eラーニングの根底に育ち始めているのも、一つの現象である。オンラインツールを利用して、教材や情報を共有、コラボレー ションするばかりでなく、3Dの世界を通じて一つの教育現場を作り上げようというものである。Second Lifeはその一例といえる。
数 年前のEラーニングは、主にオンラインを通じたマス教育の場を提供することに終始していた。そのため、オンライン教材の作成コストやコンテンツ管理などに かかる費用が逆に負担となり、結果オフライン教育よりも採算が取りにくいという結果になった経緯がある。しかし、オープンソースやWeb 2.0ビジネスの興隆と普及で、オンラインで出来ることの幅が広がると同時に、以前は難しかったことが比較的簡単に実現できるようになったことが、教育分 野でのオンラインアプリケーションへの注目アップの背景にある。
「Web 2.0には失望している」というIT関係者は、シリコンバレー界隈では多いらしいが、ビジネス開発に携わる関係者にとっては、このWeb 2.0ブームは一つの大きな転機となっていると筆者は考える。技術という点では、革新的な新技術が次々と誕生するといった現象は確かに見られていない。し かし、オンライン分野のITビジネスは、かなりの高テンポで多様化が進み、市場に大きな動きが見られた。まさに、シリコンバレーのコア動力が“技術力”か ら“創造性”へシフトするきっかけをWeb 2.0の波が作り出したといえるだろう。
Eラーニング分野に見られる昨今の動きは、この現象の一端だろう。さて、Eラーニングの次は、どの分野がこの変革期を体験するだろう?
2006年話題を呼んだYouTubeのおかげで、動画共有サービスはいまや、ホットなWeb 2.0市場の1つとなっているが、最近、このYouTubeに関連するサービスを展開する企業があとを絶たない。
YouTube の競合としては、RevverやMySpace、GUBAなどがよく知られているが、米国ではバイアコムとのいざこざが連日のように話題となっている。そ んなアメリカ市場を尻目に、日本でも同様の市場が徐々に形成されている。バイアコムが系列日本子会社を経由してFLUXを開設するなど、米国発のプレーヤーの参入も見られるほか、ニワンゴが提供する「ニコニコ動画」や「SMILEVIDEO(すまいるびでお)」、NTTの「ClipLife」、「うごうごブログ」など、種類や志向も実にさまざま。日本人ならではの工夫が見られる。
アメリカのYouTubeと日本の動画共有サイトの決定的な違いは、著作権問題への配慮だろう。YouTubeが個人投稿コンテンツへに対する制限をまったく設けなかったことに対し、日本のサービスはまず基本レベルでこの問題を回避したサービス内容を提供する。
YouTube との連携に力を入れる動きも目に付く。ニワンゴのニコニコ動画は、YouTubeへの掲載コンテンツにコメントを加えて共有できる。一方で、すまいるびで おは日本版YouTubeともいうべきサービス内容となっており、ニコニコ動画のサービス対象コンテンツソースの1つでもある。動画へのコメント付けや編 集機能は、いまや動画共有サイトの追加機能としても一般化しており、ニワンゴの戦略は“動画共有”領域での複合的なサービス提供を目指しているようにも見 える。
しかし、動画を扱うというサービスの性質上、それなりのインフラ整備という課題も付いてまわる。ニコニコ動画は2月にサイバー攻撃を受け、一時サービスを停止せざるを得なくなったばかりである。現在は、有効アカウントを30000に制限するなどの対策を講じている。
一方、NTTレゾナントは読売テレビと提携し、投稿動画コンテンツの中で人気の高いものをテレビ放映する企画を発表した。
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=NN001Y577%2026032007
細やかな工夫で多用なサービス展開が期待される動画共有サイト市場。このあたりのサービス多様化は、アメリカより日本企業プレーヤーのほうが得意かもしれない。
AppleのJobs氏が、DRMに対する反対を述べる書簡を発表した。
Cnet Japan: 「レコード会社はDRMの放棄を」--アップルのジョブズCEOが公開書簡
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20342506,00.htm?tag=nl
記事にある通り、DRMで一定の収入を得ている企業がこのような主張を公にするのは意外といえば意外だが、この流れ、つまりオンラインコンテンツに対する著作権管理というコンセプトそのものが、今日のIT業界では議論対象となりつつある。
YouTube のようなビデオ共有サイトは、常にコンテンツ著作権について市場の議論対象となってきた。また、そこで浮き彫りになったことの一つとして、各国制度の違い も明白な問題となりつつある。インターネットの国境レスな世界では、使用言語さえ対応できれば、どこで何が起きても物理的な制約を設定することが難しい。
Second Lifeでの“違法行為”に対して、誰がどのように対応すべきかの議論が、米国政府内では昨年から行われているが、基本的には同様の問題が、オンライン ミュージックでも起きつつあるといえるだろう。Jobsの訴えに対し、業界が即座に対応を示すとは考えにくいが、米国外を視野に入れたビジネス展開をはか るサービス企業にとっては今後の重要課題だろう。
検索エンジンまたは検索サービスを提供する企業間で、オンライン広告をめぐる闘いが展開されている。エンタープライズ検索エンジンを提供するFast Search & Transferが、自社ブランドで文脈に沿った広告を掲載できるプラットフォーム「Fast AdMomentum」を発表した。
Cnet Japan: ファスト、グーグルと競合する新しい広告プラットフォームを発表
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20342418,00.htm?tag=nl
Cnet: Company offers Google ad alternative
http://news.com.com/2100-1024_3-6156494.html
広告収入は、Googleの最大の"Cash Cow"だ。最近ではアプライアンス型エンタープライズ検索製品の提供も開始し、その市場対象の拡大を図っているが、まだまだコンシューマ市場を断念できるほどの市場占有率は得ていない。むしろ、マイナー組だ。
オ ンライン広告モデルについては、Googleを覇者のままにしておきたくない企業が、様々なアイディアで競合サービスや製品を展開し始めている。どこまで Google AsSense / AdWordが生き残れるか。また、既存の市場を維持するために、次にどんな戦略を練るべきかが、いよいよ勝敗の分かれ道となる。
Yahooの組織編制の話が、Cnet Japanに掲載されていた。非常に興味深く読んだ。というのは、GoogleとYahooの組織形態の違いが、まさに市場の競合性や優位性、ビジネス展開に大きく影響していることが浮き彫りになっていたからだ。
Cnet Japan: ヤフー組織再編が示すもの--次期CEO候補S・デッカー氏とは
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20340797,00.htm?tag=nl
昨 年、Googleについて常に考えていたのが、「彼らの強さの根源は実は技術そのものよりそれを支える組織体制や企業戦略なんじゃないか」ということだっ た。一見、Web2.0ビジネスの成功という点でそれほど重要には見えない要素かもしれないが、スタートアップ、ベンチャー、SMBなどにとって、組織は イコール人間であり、人間に支えられて組織や企業、そして企業戦略が成り立っていく。また、企業やビジネス規模がコンパクトであればあるほど、個々のビジ ネス戦略の重要性が増すと同時に、組織だった戦略構想やビジネスへの取り組みが大事になってくる。
YahooとGoogleの最大の違いは、次の2点に集約されるといえるかもしれない。
・一貫した組織戦略の有無
→Googleの企業ミッションとコア戦略は今も昔も一貫している。それに比べて、Yahooの企業戦略や組織体制は、社内の重複や矛盾などが見受けられ、一貫性があるとは言いがたい。
・企業組織そのものの効率性
→
上記にも関連するが、組織的な重複は企業にとって無駄な財政支出をもたらす。その額が大きければ大きいほど、企業にとっての損害は大きい。Googleは
一見、手当たり次第に様々なサービスやプロジェクトを乱立させているかに見えるが、実はコア戦略は一貫しておりかつ社員(技術者)にもその意識が浸透して
いるゆえに、必ずしもそれらの乱立サービス・プロジェクトは大きな財政支出をもたらす損害にはなっていない。しかし、Yahooの組織戦略の混乱や長期的
な方向性の矛盾は、結果的に無駄を生み出すと同時に企業組織そのものの効率性を著しく低下させてしまっている。
Yahooの抱える問題 は、特に珍しい問題ではない。これまでも多くの企業が同様の悩みを抱え、多くの組織経営論でそのプリンシプルが説かれてきた。しかし、Googleのマネ ジメントスタイルは違う。これは、Web2.0時代に初めて登場した、新しい斬新な組織のあり方を示している。
一見、重要性が重視されにくい“組織のあり方”論。しかし、Web2.0企業にとっては、実はもっともクリティカルな課題かもしれない。
Web 2.0ブームで一気に沸き起こった流行の一つが動画共有サービスだった。YouTubeの人気とGoogleによる買収は、昨年市場の注目を集めたが、今年に入って早くも「市場淘汰」の動きがあるらしい。
CNet Japan: 絶好調のユーチューブ、迷走するライバルたち--映像共有市場で始まる淘汰の動き
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20341278,00.htm?tag=nl
「ITの世界は1位が全て」、とはよくいったものだ。まさに典型的な例だろう。
はてさて、その他のWeb2.0サービスは一体どうなのだろうか。かつてのドットコムバブルの歴史は、やはり繰り返されるような気配が強い。
Brightcoveが、ニューヨークタイムズなど複数の投資家から約6000万ドルの出資を受けた。Brightcoveは動画配信サービスサイトを運営するベンチャーである。まさにYouTubeの競合だ。
Brightcove: http://www.brightcove.com
Brightcoveはもともと、メディア企業のブロードバンド向けコンテンツ開発を行う企業だ。ビデオ共有技術を生かして、YouTubeと類似するサイトサービスを始めた。
しかし、メディア企業向けコンテンツ開発にしても、ビデオ共有サイトにしても、昨今のWeb 2.0ブームも手伝って、競合企業の数はうなぎのぼり状態だ。どの企業も他との差別化要素の創出を知恵を絞っている。
今後の動画配信・共有サービス市場では、おそらく関連企業の淘汰と再興という、かつてのドットコム市場の歴史が繰り返されると考えられる。市場全体を通じて、では、なにか他社との差異化要素となるだろう。ここが、最も注目されるべきところだ。
日本で流行りのモバゲーが大ブレークしているらしい。一日のページビューが2億を越えた。日本最大手のSNSサイトMixiが1日のPV1億2千というから、かなりの数だ。
CNet Japan: モバゲータウンが1日2億PVを達成--モバイルではmixiの2倍に
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20341072,00.htm?tag=nl
しかし、これは日本(または中国や韓国などアジア諸国?)に特化した現象かもしれない。ヨーロッパの1部の国はともかく、米国では携帯電話を使ったウェブサーフィンは、携帯電話市場の15%程度にしか当たらないらしい。
確 かに、米国では携帯電話を使ったウェブサーフィンをするユーザーはほとんど見かけない。また携帯電話用コンテンツもほとんどない。SMSは一般的になりつ つあるが、モバイルでeメールというと、PDAなどを使ったビジネスユースか、またはパーソナルなSMSテキストメール程度で、エンターテイメントに携帯 電話を、という風潮は著しく乏しいのが現状だ。
しかし、そんな米国市場の現状を尻目に、携帯モバイル広告市場への期待が高まっている。 AdMobやThird Screen Mediaなどの企業が、携帯コンテンツを対象とした広告コーディネーションを請け負う媒体ビジネスを始めた。携帯コンテンツの世界市場をターゲットとし た戦略である。その他の関係企業としては、ゲームなどのアプリケーションに広告を組み込むGreystripe、携帯向けテレビに広告スポットを挿入する 技術を開発したRhythm NewMediaなどがある。
ちなみに、オンライン広告市場の歴史を語る際にはずすことの出来ない大御所 Googleも、携帯電話でのサイト検索サービスを提供するが、パソコン検索同様、検索結果に広告を提供するサービスを、既に試験導入済みである。他方 で、携帯電話会社も黙ってはいない。広告ターゲットの絞込みはより効果的な宣伝広告に欠かせないことから、加入者の場所、購入習慣、ウェブ閲覧の行動様式 など、特定顧客層を狙った広告販売に自社の持つ顧客情報を利用しようという戦略である。既に、Sprint、AT&T、ボーダーフォンなどの大手 企業が広告戦略を展開し始めている。
しかし、携帯電話とPCの決定的な違いはスクリーンのサイズだろう。この小さな画面にどれだけの広告 挿入をユーザーが許容するか。また、ビデオ広告やラジオ広告と同様、宣伝広告のinteraptionがどれだけサービス阻害と受け取られるかなど、携帯 電話市場に特有の課題は残る。市場の期待通り、携帯電話広告市場は成長するのか。企業の取り組みや知恵と工夫も、今後は要求されるだろう。
GoogleのAdSenseに代表されるオンライン広告のビジネスモデルについては、先日触れたが、このオンライン広告の動向としてもう一つの側面がある。コンテンツ連動型広告だ。
コンテンツ連動型広告とは、「WebサイトやWebページの掲載内容(コンテンツ)に合致した広告を自動的に判別し、配信・表示する広告形態」。
参考:BPnet Netマーケティング
http://biztech.nikkeibp.co.jp/netmarketing/word/explan/061003_contwith/
いわゆる、pay per click(クリック課金型)の広告モデルで、今日本でも大流行りだ。NTT東やRSS広告社、電通など、日本企業の間でも既に関係各社がしのぎを削っているほか、無料ブログサービスとの連動を積極的に進める企業もある。
確かに、オンライン広告はWeb2.0分野で唯一確立された収入モデルであるといってもいい。既に証明されたモデルだからこそ、様々な趣向を凝らして差異化要素を検討しながら市場参入する企業が続出する。
ちなみに、このコンテンツ連動型広告の概念は、インターネットのみならず、一般のテレビ広告にも浸透しつつある。Open TVはVisible Worldと共同で、ターゲット世帯にあわせたカスタムCMを提供する。ケーブル配信されるターゲットCMは、広告主によるターゲット分析をもとに10万種類のバージョンをそろえている。地理的な要因はほとんど考慮されないという。
ファストフードチェーンのウェンディーズは、NFLのゲーム進行状況にあわせて内容をアレンジするCMを提供中だ。Visible Worldとの提携により、ゲーム状況に合わせた宣伝文句が流れる仕組みになっている。
ユーザーに合わせたインタラクティブ化、カスタマイズ化志向は、インターネットではもう当たり前の時代だが、インターネットを超えたメディア業界にもその影響は浸透しつつあるのかもしれない。
オンラインビデオに関連するサービスが、今年は大ブレークした年だった。その代表がYouTubeだが、それ以外にもユニークな趣向を凝らしたサイトが続々と市場に登場している。
例えば、最近知ったサイトが以下。アップロードビデオにキャプチャなどを追加できたり、動画をクリックすることでゲームが楽しめたりと、よりインタラクティブな特徴が魅力的だ。
・Viddler.com: http://www.viddler.com/
・Avant Interactive: http://www.avantinteractive.com/
・FilmLoop: http://www.filmloop.com/
ただ見るだけ、から遊べる動画を配信・共有できるというのは、これまでなかったサービスだろう。しかし、一件「お遊びツール」に見えるこのようなツールだが、使いようによっては一つのビジネスツールになる可能性もあるかもしれない。
Gartner Japanが最近、「Cosumerization of IT」という概念を提唱している。これは、一般消費者の間で流行っているツールは、ビジネスユースとしても受け入れられやすく、企業はコンシューマ発のシ ステムツールを重視すべきだ、という考え方である。確かに、通信手段一つとっても、携帯電話(携帯メール含む)やブログ、IMなど、はじめは一般コン シューマを中心に広がったものが、いまやビジネスツールとして一般的に受け入れられている。
では、一般ネットユーザーに絶大な支持を得ているYouTubeのようなサービスも、今後ビジネスシーンで利活用されるのだろうか。・・・可能性は、なくはないだろう。
オフィスで皆が企業版YouTubeを使うとは少々考えがたいが、教育や研修ツールまたは顧客とのコミュニケーション媒体として、今後動画の共有という手段は広く流布する可能性はあるだろう。
重要なのは、「コンシューマ」と「エンタープライズ」の境界を最初からきっちり敷いてしまわないことかもしれない。Web 2.0はどんな小さなことにもチャンスがある、自由な世界なのだから。